2020.10.29

フィッシャーマンシャツ|歴史と代表的なブランド「modAS」

最近の古着で「ユーロワーク」や「ヨーロッパヴィンテージ」がキーワードになりつつあります。今回は、その中でもヨーロッパ北部地域の漁師たちが愛用したアイテム。羽織っても、レイヤードでも楽しめる、魅力的な「フィッシャーマンシャツ」についてご紹介します。

フィッシャーマンシャツとは?|ヨーロッパの漁師が着る「仕事着」の歴史

20世紀前半のハンブルク。現代でも欧州における漁業・海運の一大集積地となっている
(引用元:hamburg.com
その名の通りfisherman=漁師が着るワークウェアが、フィッシャーマンシャツです。古着でよく見かけるネイビー地にホワイトストライプのものは、北ドイツのハンブルクに寄港するドイツやオランダの漁師たちが着用しており、そのほか北欧地域の北海沿岸でも一部使用していたようです。
フィッシャーマンシャツを着たハンブルクの漁師August Sander。ウール系の2ピースと合わせている。1929年ハンブルクにて。(引用元:Pintarest
正確な記録はありませんが、よく知られた形とデザインのフィッシャーマンシャツが写真などの記録に登場するのは20世紀に入ってから。それ以前の漁師たちは、スキッパータイプの単色のシャツを着用していたようです。
フィッシャーマンタイプ コットンプルオーバー|Cotton Pullover Fisherman Type ¥4,950(Tax in)
イギリス系のフィッシャーマンシャツは、完全なスモックタイプの場合がほとんど。
ちなみに、色に関しては国ごとに違いがあり、ドイツを中心としたヨーロッパの大陸側では、ストライプ。イギリスや北海沿岸地域では、単色のものが多くなります。
Made in Europe Fischerman Shirts|ヨーロッパ製フィッシャーマンシャツ ¥7,590(Tax in)
フラップポケット、開襟デザインの襟はドイツ系のフィッシャーマンシャツでは珍しいディティール。
シャツのつくりにも特徴があり、古い年代のものは袖が平面的で、張りのあるコットン生地のものが多くなります。また、意外なことに、古い年代のものには着丈の短いものが目立ちます。
胸ボタンのまわりが切り替えのデザインになっていたり、ポケットのみ横方向のストライプにしてあったりとその種類は多種多様。
ちなみに、よく目にする同系統のストライプパンツ。こちらは、ドイツ軍のコックパンツの場合がほとんど。しかしながら雰囲気が似ているので、ストライプのバランスによってはセットアップ風での着用もおすすめです。

フィッシャーマンシャツの代表的ブランド「modAS」

モダスのブランドロゴ。胸の切り替え部分に縫い付けられていることが多い。
フィッシャーマンシャツの中でも、よく知られているのが「modAS(モダス)」というブランドではないでしょうか。「モダス」はドイツのフィッシングウェアブランドで、現代でもワークからカジュアルまで幅広く展開しています。
典型的なハンザ同盟都市のリューベック。現在でも「Hanza Stadt Ruebeck(ハンザ都市リューベック)」と公称している。
modASは、いわゆる「ハンザ同盟都市」に属する北ドイツのブレーメンで創業されました。ハンザ同盟は中世後期から近世にかけて、北海・バルト海の水運・漁業の利権を独占した北ドイツの諸都市同盟です。先に紹介したハンブルクと並んで、北ドイツの中心的な水揚げ地となっていました。古着のフィッシャーマンシャツでmodASのものをよく見かけるのは、必然といえるのかもしれません。
ファッシャーマンシャツを始め、トラディショナルなワークウェアは、ブランドやディティールにリアルクローズとしての歴史を垣間見ることができ、古着の面白さを再確認させてくれるアイテムではないでしょうか。

GRAPEFRUIT MOONレディース担当スタイリストもおすすめのフィッシャーマンシャツ

ユーロらしいきれい目のストライプとざっくりとしたサイズ感。実は、GRAPEFRUIT MOON Online Shop担当スタイリストのwatanabeさんもおすすめアイテムの一つに挙げています。
GRAPEFRUIT MOON Online Shopでは、メンズ・レディースともにさまざまなサイズ、デザインのフィッシャーマンシャツを取り揃えています。この機会に、お気に入りの一着を見つけてください。
この記事を書いたのは
GRAPEFRUIT MOON Online Shop 担当:山崎
古い歴史のあるフィッシャーマンシャツ。ヴィンテージウェアらしいつくりで、見ていて飽きないアイテムの一つです。ぜひワードローブに加えてみてください!