2023.6.9

Vintage Bag

ファッションは時代と共に移り変わっていきますが、アクセサリーやシューズ、バッグなど、コーディネートを彩る小物なども変わっていきます。
今回は、その中からヴィンテージバッグに焦点を当ててご紹介します。

【戦後の傷跡を癒すファッション】

第二次世界大戦が終わった1950年代は、戦争の傷を癒すかのように華やかなファッションに様変わり。クリスチャン・ディオールが1947年に発表した「ニュールック」を筆頭に、女性たちのファッションはエレガントで上品なスタイルが主流になりました。
レディライクなアクセサリーやハンドバッグもそのひとつです。
繊細な花の刺繍が目を惹くニードルポイントバッグ。ニードルポイントとは、メッシュ状に織られた麻のキャンバスに、刺繍糸でひと目ずつ刺していく技法のこと。もともとは上流貴族の人々が室内の装飾を楽しむための高級な工芸品でしたが、19世紀中頃から庶民の間にも広がり、多くの女性たちが愛好するようになりました。

両面とも同じ絵柄となっており、シックなグリーンをベースにいくつかの花々が刺繍されています。小ぶりなサイズ感で可憐さがありながらも、華やかでクラシカルな雰囲気のある1点です。

【自由と解放を求めたファッション】

1960年代に入ると、それまでの伝統的な趣を打ち崩すかのように、若者の間でさまざまな社会運動が盛んに。それに合わせて、ファッションもポップでカラフルになっていきました。そんな60年代を象徴するかのようなバスケットバッグがこちら。
1950年代後半にミシシッピのジャクソンで、カロリン・マグダニエルとナンシー・スティールという2人のデザイナーが手作りで生産し始めたのがはじまり。2人の名前を文字って「カロナン」と名付けられ、60〜70年代のアメリカ南西部で人気となりました。
世界の街並みがペイントで描かれたこちらの「トラベルシリーズ」は1番人気が高く、コレクターも多いアイテム。中には、蓋に当時のペニー硬貨が貼られているカロナンもあるのだとか。
蓋の裏には「カロナン」のサインが書かれています。

【ファッションに革命を!】

自由と平和を求めて開放的なスタイルがさらに開花した70年代は、60年代から引き継いだカラフルで明るい色を基調としたファッションが多く見られます。
とくに、「ヒッピー」はそんな70年代を象徴するファッションのひとつ。アメリカで発祥した自由で開放的なスタイルは、日本でも大流行しました。
こちらのバッグはそんな70年代のファッションを彩るのに欠かせません。
民族的なファッションや、花柄にブーツカットパンツといった華やかで派手な着こなしのアクセントになるアイテムです。
ファッションは時代を映し出す鏡。それと同時に、コーディネートに華を添えるバッグも、色濃く反映していました。まさにヴィンテージの醍醐味。今回ご紹介したもの以外にも、さまざまなアイテムにその時代ならではの魅力が詰まっています。ぜひ、探してみてください。